面白い歴史小説でした。2024年2月から1年間、日経新聞朝刊に掲載された新聞小説で、ミステリー的な要素もあり、見せ場も多く、毎日続きが読みたくなるような仕掛けもあり、上下巻630ページほどを一気に読み通せます。全体の400ページを過ぎたあたりから伏線の回収が始まり、この頃には新聞の読者は翌日の朝刊を待ち遠しくしていたのではないでしょうか。
歴史小説ではどこまでが史実でどこからが創作のなのか、歴史の勉強にさせない作者の創造力に魅了されます。この作品でも、江戸幕府草創期の切支丹弾圧を背景に、主人公の出自の秘密を軸としてストーリーは進みます。最終盤に明かされる主人公大名の出生の秘密。江戸から遠い外様小藩とはいえ、一国一城の大名の秘密(読み進めてきた予想を一段上回る)がこの作品の読後感を更に大きく膨らませます。
作品名は「登山大名」ですが読む前に想像した“登山”とはちょっと違うかもしれません。
上巻:2025年10月1日 第1刷 発行:㈱日経BP 日本経済新聞出版
下巻:2025年10月1日 第1刷 発行:㈱日経BP 日本経済新聞出版

