近隣でローカル線といえばJR名松線ですが、のんびり車窓から沿線の桜でも眺めようと、伊勢奥津~松阪、片道43.5km、1時間半を往復してきました。天気はくもり空であまり良くありません。時刻表をみると電車(気動車:ディーゼルでした)は2時間に1本、松阪でお昼を食べて戻って来るにはちょうどいい時間です。
時刻表では終点まで走るのは2時間おきに1日6本。平日は通勤通学の乗車もあるのでしょうが本数は同じようです。この日、日曜日の9:35発の乗客は私たちのような「たまにはローカル線乗ってみよう客」らしき人だけで5人、松阪近くになって地元の人が数人、といったところでした。
沿線の桜も満開で、途中、ミツマタ群生地があり黄色い花が咲き誇っていてこれはきれいな光景でした。ただワンマン1両のディーゼル車はゆっくりゆっくり走り、途中の駅で10分ほど単線の車両待ち合わせもあり、久しぶりに“のんびり”を実感する90分でした。
車両待ちの駅でホームで待っていた駅員さんと運転士が50cmほどの丸い輪を受け渡ししていました。昔は駅でよく見かける光景でしたが今は見ることは全くありませんでした。あれはなんの儀式なのか気になります。
11時過ぎに松阪着。駅前は正面から両側商店街の道路が伸びていますが人影もなく、お店もシャッターの閉まっている店が多いです。その商店街の一角に伊勢の虎屋ういろの店がありました。このういろは好物で早速3本買いましたが、思いがけずいいお土産ができました。
13:09発、14:33着の帰りの便も同じくらいの乗客数。伊勢奥津駅に向けての上りにディーゼルは苦しそうな重い唸りをあげながら進みます。川沿いをから山間部に入る路線は秋の紅葉の時期もきれいなんでしょうね。
伊勢奥津駅には観光案内所や地元名産の販売所も整備されていて、ここかしこに「みんなでも守ろう名松線」のぼりやポスターがあり、台風被害で6年間も運休していた路線を復旧させた地元の熱意を感じさせられます。
伊勢奥津駅のシンボル、昔、蒸気機関車への給水のために建てられた鉄製の給水塔は国内では数少ない鉄道史上貴重な遺構として登録有形文化財に指定されています。





