この本のタイトルからまず連想するのは「限界集落」という言葉。国家としての日本も将来的に衰退し存続が困難になる…そんな内容が思い浮かびます。公表されているデータやニュースをもとにしたフィクション、(近)未来小説ですが、予想通りの将来予測が描かれています。
少子高齢化、困難な課題を先送りしてきた高齢者ばかりの政界、財界。国という概念に縛られずテクノロジーを駆使して自らの将来を切り開こうとするネットネイティブ世代だけが希望の光なのか…。一気に読めますが、読んだあとは重くて暗い気分。書かれていることは実際のデータであり出来事なのでつらいです。
本書で21歳大学生のベンチャー経営者に、日本の政治を「高齢者の高齢者による高齢者のための政治」と言わせていますが、これはいくつもあるこの国の困難の中でも、私たち有権者が動けば改革可能かもしれません。公職選挙法には被選挙権について満25歳とか満30歳とか下限の規定はあっても上限はありません。現状の政治をみると満75歳くらいを上限とする議員定年制が必要だと思います。
2023年6月24日 第1刷 発行:㈱双葉社